軽量な焚き火台を探していると、候補に挙がりやすいのがピコグリルです。なかでも定番のピコグリル398は、バックパックに収納しやすい薄型設計でありながら、市販の薪を使った焚き火や簡単な調理にも対応します。
ただし、軽さを優先した構造には、風への弱さや調理時の安定性など注意すべき点もあります。また、外観がよく似た類似品も多いため、価格だけで判断するのはおすすめできません。
この記事では、ピコグリル398のサイズや特徴、向いている人、使い方、購入時の確認事項を分かりやすく解説します。
焚き火台ピコグリル398とは
ピコグリルは、スイスのメーカーが展開する折りたたみ式焚き火台です。複数のサイズがありますが、日本で広く知られているモデルがピコグリル398です。
ピコグリル398は、ステンレス製のフレームと薄い火床を組み合わせる構造です。組み立て時は幅約38cm、奥行約25cm、高さ約25cm。焚き火台本体の重量は公表値で約365gとされ、一般的な箱型焚き火台より大幅に軽量です。
収納時はおおむね縦33.5cm、横23.5cm、厚さ1cm前後の板状になります。メーカーの仕様変更や、収納袋・スピットを含むかどうかで販売ページの重量表記が異なる場合があるため、購入前に確認しましょう。
独特な火床が薪を燃やしやすくする
火床には複数のスリットがあり、下から空気を取り込みやすい構造です。さらに、火床の中央が低くなるため、燃焼中の薪や熾火が中心に集まりやすくなっています。
一方、空気が入りやすい分、薪の燃焼速度が速くなる場合があります。長時間の焚き火では、薪を一度に詰め込まず、1~2本ずつ追加して火力を調整するのがコツです。
ピコグリルのメリットと知っておきたい弱点
メリット1:徒歩キャンプでも持ち運びやすい
約365gという重量は、500mlペットボトル1本より軽い水準です。厚さも約1cmに収まるため、バックパックの背面や荷物の隙間に収納できます。
徒歩、公共交通機関、自転車、バイクなど、積載量が限られるキャンプと特に相性がよい焚き火台です。オートキャンプでも、撤収時の荷物を減らしたい人に適しています。
メリット2:長めの薪を載せやすい
箱型の小型焚き火台では、30~40cm程度の市販薪を細かく切る必要があります。ピコグリル398は火床が横に広く、薪を横向きや斜めに載せられるため、比較的長い薪も扱いやすい設計です。
ただし、薪が大きくはみ出すと重心が偏ります。扱いやすさを優先するなら、長さ30cm前後、太さ3~5cm程度の薪から始めるとよいでしょう。
メリット3:焚き火を眺めやすい
側面を囲う壁がほとんどないため、炎を正面や横から眺められます。薪を追加しやすく、火ばさみで薪の位置を調整しやすい点も魅力です。
弱点は風と重い調理器具への対応
薄くて軽い焚き火台は、風の影響を受けやすいのが弱点です。強風時は火の粉が飛びやすく、本体が転倒する危険もあります。風が強い日は使用を中止し、通常時も風向きを確認してください。
また、付属または別売りのスピットを使えば、クッカーや小型フライパンを載せられますが、重いダッチオーブンを安易に載せる用途には向きません。調理器具の重量上限が案内されている場合は、その数値を必ず守りましょう。
ピコグリルとほかの焚き火台を比較
焚き火台は軽ければよいとは限りません。移動手段、人数、調理の頻度を基準に選ぶことが大切です。以下はピコグリル398と一般的な焚き火台タイプの目安を比較したものです。
| タイプ | 重量の目安 | 収納性 | 調理の安定性 | 向いている人数 |
|---|---|---|---|---|
| ピコグリル398 | 本体約365g | 薄い板状で良好 | 軽量調理器具向け | 1~3人 |
| 小型メッシュ型 | 約500g~1kg | 脚が長い場合がある | 製品により差が大きい | 1~2人 |
| 折りたたみ箱型 | 約1~3kg | 薄くなるが重め | 比較的安定しやすい | 2~4人 |
| 大型グリル兼用型 | 約3~6kg以上 | 車での運搬向け | 焼き網を載せやすい | 3~6人 |
徒歩やバイクでソロキャンプへ行き、焚き火を中心に楽しむならピコグリル398が有力です。一方、家族で焼肉をしたい、重い鍋を使いたい、風の影響を抑えたいという場合は、重量1~3kg程度の箱型焚き火台が扱いやすいこともあります。
ピコグリル398が向いている人
- 徒歩、自転車、バイクで荷物を軽くしたい人
- 1~3人で焚き火を楽しみたい人
- 市販薪を細かく切る手間を減らしたい人
- 本格的な料理より、湯沸かしや簡単な焼き物をしたい人
- 使用後の洗浄や撤収を簡単にしたい人
別タイプを検討したほうがよい人
- 4人以上で火を囲みたい人
- ダッチオーブンなど重量のある鍋を頻繁に使う人
- 焼き網全面で複数の食材を調理したい人
- 軽さよりも頑丈さや風への強さを重視する人
ピコグリルの組み立て方と上手に燃やすコツ
設営前に地面と周囲を確認する
最初に、キャンプ場が焚き火台の使用を認めているか確認します。直火禁止のキャンプ場では、ピコグリルを使っても地面で直接燃やすことはできません。
地面が平らで、枯れ草や落ち葉がない場所を選びましょう。火床には地面からの高さがありますが、輻射熱や落下した熾火によって芝生を傷める可能性があります。目安として60cm四方程度の耐火シートを敷き、焚き火台より周囲に10cm以上の余裕を持たせると安心です。
基本的な組み立て手順
- 折りたたまれたフレームを左右に開く
- 火床プレートを緩やかに曲げながら、フレームの所定位置へ差し込む
- 四隅が正しく掛かっているか確認する
- 必要に応じて上部にスピットを載せる
火床は薄いため、無理に折り曲げたり、一点だけを強く押したりしないでください。設営後に軽く揺らし、フレームの開き方や火床の掛かりに問題がないか確認します。
着火時は細い燃料から始める
着火剤の上に、割り箸程度の細い薪を数本置き、その上へ直径2~3cm程度の薪を組みます。炎が安定したら太い薪を追加してください。最初から太い薪を詰め込むと空気の通り道がふさがり、煙が増える原因になります。
調理では、炎が高く上がっている状態より、薪が炭のように赤くなった熾火の状態が適しています。火力が安定し、クッカーの底に炎が集中しにくくなるためです。
購入前に確認したい正規品・類似品と手入れ方法
正規品と類似品は価格だけで判断しない
ピコグリルに似た構造の焚き火台は多数販売されています。しかし、外観が近くても、火床の厚さ、材質、フレームの精度、重量、付属品は同じとは限りません。
購入時は、商品名だけでなく、メーカー名、販売元、組み立てサイズ、収納サイズ、本体重量、収納袋やスピットの有無を確認しましょう。商品写真にロゴがあるだけでは判断せず、保証や問い合わせ先が明記されている販売店を選ぶことも重要です。
特に重量は「本体のみ」「スピット込み」「収納袋込み」で数十~100g程度変わる可能性があります。約365gという数字だけで決めず、何を含む重量なのかを確認してください。
使用後は完全に冷ましてから片付ける
撤収時は薪を最後まで燃やし切り、灰が完全に冷えたことを確認します。熱い火床へ急に水をかけると、火床の変形や周囲への灰の飛散につながるため、緊急時以外は避けるのが無難です。
冷却後は灰をキャンプ場指定の灰捨て場へ運びます。火床の汚れは乾いた布やブラシで落とし、水洗いした場合は水分を十分に拭き取って乾燥させてください。ステンレスの焼け色や軽い反りは使用に伴って発生しやすい変化ですが、亀裂、鋭い変形、フレームの外れがある場合は使用を中止します。
まとめ:ピコグリルは軽さと焚き火のしやすさを両立した一台
ピコグリル398は、本体重量約365g、収納時の厚さ約1cmという携帯性に優れた焚き火台です。市販薪を載せやすく、空気が通りやすいため、ソロから少人数の焚き火に適しています。
ただし、強風時の使用や重量物を使った調理には注意が必要です。耐火シートを併用し、平らな場所で正しく組み立て、安全を優先して使いましょう。購入時には正規品・類似品という名称だけにとらわれず、重量の内訳、材質、付属品、販売元を確認することが失敗を防ぐポイントです。
モデルごとの違いや、ほかの軽量焚き火台も含めて検討したい場合は、ピコグリル・軽量系についてさらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
ピコグリルは正規品と類似品で仕様が異なります。販売ページで内容物と重量をよく確認しましょう。

